人にになわれた〈私〉という経験の物語。思想史三部作第1弾
坂口ふみ
人でつむぐ思想史I
ヘラクレイトスの仲間たち
2012年9月25日刊行 四六判・250頁
本体価格2500円 SBN978-4-906791-05-7
ひとの驚きと喜び、傷みと悲しみから、思想史を読み直す──人でつむぐ思想史。
〈個〉として存在することの発見という、魂が深く震撼される経験。
ギリシアの哲人、ヘラクレイトスからデカルトまで、精神の池に投げられた、この経験という小石が描く波紋を写し取る。
続刊 人でつむぐ思想史Ⅱ ゴルギアスからキケロへ 2013年春刊行予定
人でつむぐ思想史Ⅲ ボエティウス 2013年秋刊行予定
目次
序章 ヘラクレイトスの仲間たち
第1章 ヘラクレイトスの〈個〉のモチーフ
──〈私〉の果てしない深みと遍きロゴスと
第2章 〈個〉概念の変奏
1 プラトン『パイドロス』の変奏
2 アリストテレス『霊魂論』の変奏
3 プロティノスの変奏
4 キリスト教の変奏
──アウグスティヌス『告白』を手がかりに
第3章 「思考としての私」という変奏
1 アンセルムスの「神の存在論的証明」
2 『省察』を読む
補論 中世思想ノート
──存在するのは実体だけか?
著者紹介
坂口ふみ
1933年生まれ. 東京大学大学院人文科学研究科比較文学比較文化修士課程修了. ミュンヘン大学にてPh.D取得. 現在東北大学名誉教授. 著作:『西洋思想のあゆみ』Sシリーズ(共著, 1993), 『〈個〉の誕生──キリスト教教理をつくった人びと』(1996), 『「私」の考古学』宗教への問い3(編著, 2000), 『信の構造──キリスト教の愛の教理とそのゆくえ』(2008),『天使とボナヴェントゥラ──ヨーロッパ13世紀の思想劇』(2009).