村山盛忠 『パレスチナ問題とキリスト教』

パレスチナ問題の本質から、世界の〈現在〉が見えてくる

 

村山盛忠

パレスチナ問題とキリスト教

20121115日刊行 四六判・193

本体価格1900ISBN978-4-906791-09-5

                        

パレスチナ問題の本質を問う、生涯をかけた歩みの記録。

 キリスト教伝道のために滞在した4年間のエジプト経験で、それまでは見えなかったパレスチナ問題に目を開かれた、と著者はいいます。それからの歩みは、実践的・思想的にすべてを挙げてこの問題の解明に捧げられました。本書は、その誠実な闘いの記録です。

 土地を奪われ、生活を根こぎにされた人々との出会い、差別と抑圧を生み落としたヨーロッパ史の隠れた構造、そしてユダヤ教とキリスト教の確執、キリスト教内部の異端に対する排除と隠蔽……今日の情報の氾濫にもかかわらず、肝心なことはブラックボックスであったことに気づかされます。

目次

序章 パレスチナが見えなかった     
 Ⅰ 共生を探って               
第一章 パレスチナ問題とは何か       
第二章 ガリラヤのパレスチナ人       
第三章 湾岸戦争後のパレスチナを訪ねて 
第四章 暫定自治協定のまやかし            
 Ⅱ パレスチナ問題の歴史と構造                            
第五章 われわれ自身のパレスチナ問題
第六章 証言・パレスチナ問題
第七章 パレスチナ・カイロス文書
第八章 アラブ・イスラム到来期における
 コプト教会の動向
終章 壁を砕き、壁を越え

著者紹介

村山盛忠

1935年生ま. 日本キリスト教団牧師. パレスチナ連帯のため, 幅広く講演や支援活動を続ける. 著書に, 『コプト社会に暮らす』(岩波新書, 1974年), 『パレスチナ民衆蜂起とイスラエル』(共編, 第三書館, 1989年), 中東教会協議会編『中東キリスト教の歴史』(共訳, 日本キリスト教団出版局, 1993年)ほかがある.