英文遺著・本邦初訳。日本の宗教と芸術の最奥へ
井筒俊彦
禅仏教の哲学に向けて
野平宗弘訳 頼住光子解説
2014年1月23日刊行 四六判・上製 380頁
本体価格3600円 ISBN978-4-906791-24-8 C1014
■ 英文のままに残された、碩学渾身の労作。禅と哲学──不立文字の核心に、今日の思想と言葉で迫る。
■ 欧米人に向けて、東方仏教思想の根源を語りかけること。その工夫によって、禅の精神が新しい光のもとに立ち上がってくる。概念的思考を嫌い、ひたすら生まれたてのリアルな経験の場への突破を目指す実践を、言葉に移し植えようとする。
■ 東西宗教思想の呼応と交叉を、その最深部で捉える、繊細にしてダイナミックな井筒宗教思想の挑戦。【装幀・菊地信義】
目次
Ⅰ 無位の真人 Ⅴ 公案を通じての思考と非思考
――禅におけるフィールド覚知の問題―― Ⅵ 禅における内部と外部
Ⅱ 自我意識の二つの次元 Ⅶ 東アジアの芸術と哲学における色彩の排除
Ⅲ 禅仏教における意味と無意味
Ⅳ 分節の哲学的問題
著者紹介
井筒俊彦(いづつ・としひこ)
1914年、生まれ。1993年、没。言語学、イスラーム学、東洋思想、神秘主義思想など、広範な領域にわたって斬新な業績を残した、現代の知の巨人。『イスラーム思想史』『意識と本質』『意味の深みへ』『コスモスとアンチコスモス』『意識の形而上学』など、その豊饒な作品世界は、井筒俊彦全集全12巻別巻1として新たにまとまりつつある(慶應義塾大学出版会、2013- )。