この「当たり前」の世界の土台を掘る──起源の神話周航
月本昭男
この世界の成り立ちについて
──太古の文書を読む
2014年3月20日刊行 四六判・上製 210頁
本体価格2300円 ISBN978-4-906791-28-6 C0014
■ 古代メソポタミアの創成神話、『アトラム・ハシース』『エヌマ・エリシュ』『ギルガメシュ叙事詩』……旧約聖書に流れ込んだ、東地中海の神話の古層を掘り、世界のはじまりの物語をめぐる。この現実を組み上げている、見えない骨組みを探って。
■ 起源に置かれた「大洪水」の説話とは何だったのか。死と人々はどのように向き合ってきたのか。一神教の発生に隠された秘密とは何か。〈信〉が社会において果たしてきた役割とは何か。
■ 古代オリエント学と旧約聖書学を専門とし、長く中東の発掘にもたずさわってきた著者が、物語とイメージの豊饒な地層から掘り起こした出来事の数々。人が生きることにかかわる基本的な条件とは……。
目次
著者紹介
月本昭男(つきもと・あきお)
1948年生まれ. 専攻, 旧約聖書学・古代オリエント学. 現在, 立教大学文学部教授.
著作:『古代メソポタミアにおける死者供養の研究』(ドイツ語版, 1985),『創成神話の研究』(編著, リトン, 1996), 『ギルガメシュ叙事詩』(編訳, 1996), 『創世記』『エゼキエル書』『ルツ記』『コーヘレト書』旧約聖書Ⅰ, Ⅸ, ⅩⅢ(1997−98), 『歴史と時間』歴史を問う2(編著, 岩波書店, 2002), 『古典としての旧約聖書』(聖公会出版, 2008),『古代メソポタミアの神話と儀礼』(2010)ほか.