カタストロフィの解読──それでも生きよう、と言える思想のために
西谷 修
破局のプリズム
──再生のヴィジョンのために
2014年9月25日刊行 四六判・上製 260頁
本体価格2500円 ISBN978-4-906791-34-7 C0010
■ 新しい貧困、格差の拡大、自壊する世界経済システム、「帝国」の 退潮……支配的であった社会のシステムが、あらゆる局面で機能不全におちいっている。予感されるカタストロフィからの出口はどこにあるのだろうか。
■ 「テロとの戦争」と、日常と化した「いじめ」という現象、世界金 融システムの破綻と、「殺してみたかった」だけの殺人……これらは密接にかかわっている。
破局は、いま・ここにある。日々の出来事から世界戦争の予兆まで、思考の現在からグローバルな欲望の動向まで、ミクロとマクロの二つの次元を貫く視野をもって、破局の実相に迫る。
■ 9・11から3・11へ、アクチュアルな経済と政治の混沌に目をこらし、その構造と歴史的な由来とを明るみに出そうとする、世俗哲学の挑戦。
山形孝夫共著、2月刊『3・11以後この絶望の国で』、6月刊『アフター・フクシマ・クロニクル』(いずれも、ぷねうま舎刊)の姉妹篇。
目次
著者紹介
西谷修(にしたに・おさむ)
1950年, 愛知県北設楽生まれ. 専攻, フランス文学・思想. 東京都立大学フランス文学科修士課程修了. 立教大学大学院文学研究科教授. 著書:『不死のワンダーランド』(1990),『戦争論』(1992),『夜の鼓動にふれる──戦争論講義』(1995),『離脱と移動──バタイユ・ブランショ・デュラス』(1997),『世界史の臨界』(2000),『「テロとの戦争」とは何か──9・11以後の世界』(2002, のち増補版『〈テロル〉との戦争』2006),『沖縄/暴力論』(編著,2008),『理性の探求』(2009),『〈経済〉を審問する──人間社会は“経済的”なのか?』(編著,2011), 『3・11以後 この絶望の国で──死者の語りの地平から』(共著, 2014), 『アフター・フクシマ・クロニクル』(2014)ほか。