日本発、独創的な神学思想──民衆宗教としてのキリスト教。
民衆の神 キリスト
――実存論的神学完全版
野呂芳男
2015年12月18日刊行 A5判・上製400頁
本体5600円ISBN978-4-906791-52-1 C1014
■ 1960年代刊の往年の名著を改訂し、書き下ろしの二つの章を増補した、生
前の著者自身の構想に基づく完全版。ここにオリジナルな宗教思想の全容が
姿を現す。
■ ブルトマン、ティリヒ、カール・バルトらとの批判的対話を通して、神と
人間との人格的な応答関係を中心とする、独自の愛と決断の神学を築き上げ
た。絶対的としての排他的な神との関係構築を目指すエリート神学ではなく、
「究極的な」神への憧れに立つ開かれた宗教へ。
プラトン、カタリ派、そして仏教に見られる輪廻転生の思想を視野に収め
た、挑戦する神学。
目次
目 次
序章 現代の状況と福音の理解 Ⅲ 死と時間
Ⅰ 神の存在と働き 第6章 時と永遠
第1章 話し合いの問題と神学的認識論 第7章 死後の命
第2章 啓示と実存 Ⅳ 民衆の中に生きるキリスト教
第3章 パウル・ティリヒの存在論 第8章 万有救済論
Ⅱ 実存論的神学の創造 第9章 神と実存
第4章 神学における主観 — 客観の構造の超克 解説 民衆宗教へ 岩田成就
第5章 キリストとしてのイエスの出来事 苦悶とこれから 後序 林 昌子
著者紹介
野呂芳男(のろ・よしお)
1925年東京生まれ. 2010年, 没. 専門は組織神学・ウェスレー研究. 1955年, 神学博士(Th.D., ユニオン神学校), 70年, 文学博士(京都大学). 日本基督教団正教師. 青山大学教授, 立教大学教授を歴任. 2002年, キリスト教会ユーカリスティア設立. 著書, 本書の旧版『実存論的神学』(1964), 『神と希望』(80), 『キリスト教と民衆仏教──十字架と蓮華』(91), 『ジョン・ウェスレー』(91), 『キリスト教と開けゆく宇宙』(96)ほか.