「宗教」の核心に迫った宗教哲学者による、21世紀への遺言
回心 イエスが見つけた泉へ
八木誠一
2016年1月22日刊行 四六判・上製246頁
本体2700円 ISBN978-4-906791-53-8 C0014
■ 回心とは何か。宗教の根源にひそむものへ、独自の思考の道を切り開いた宗教哲学者が、渾身の力で書下した21世紀への遺書。
■ 何かが決定的に更新されること、堅固と思われていた自我の基盤がくつがえること、その実態とはどんなもので、この現実とそれはいかにかかわるのか。
主体の交替、フロント構造、統合……自ら編み出した概念の枠組みを駆使して、根本的な転換と覚醒の実像に迫り、その光をもってこの世界のありうべき未来を照らし出す。
イエスが指さした泉、それは宗教・宗派を問わず、誰にでも開かれている。
目次
序章 回心と現代
Ⅰ 統合の作用 Ⅱ 回心の構造
第1章 「神のはたらき」をどこに見るか 第3章 自我と自己
──経験とイメージ化── 第4章 主体の交替
第2章 統合ということ 終章 キリスト教教義の形成について
著者紹介
八木誠一(やぎ・せいいち)
1932年生まれ. 専攻, 新約聖書神学, 宗教哲学. 東京大学とゲッチンゲン大学に学ぶ. 文学博士(九州大学), 名誉神学博士(ベルン大学). 現在, 東京工業大学名誉教授. 日本基督教学会理事長, 東西宗教交流学会会長などを歴任. 著書:『新約思想の成立』(63),『神はどこで見出されるか』(滝沢克己との対話, 77), 『覚の宗教』(久松真一との対話, 80), 『キリスト教の誕生──徹底討議』(秋月龍珉との対話, 85), 『パウロ・親鸞*イエス・禅』(83),『宗教と言語・宗教の言語』(95), 『新約思想の構造』(2002), 『イエスの宗教』(09), 『対談評釈 イエスの言葉/禅の言葉』(上田閑照との対話, 10), 『〈はたらく神〉の神学』(12)ほか.