死ねば「無だ」なんて、いったい誰が言ったの? 明るい「死の談議」
三橋尚伸
死で終わるいのちは無い
死者と生者の交差点に立って
2016年2月23日刊行 本体定価2000円
四六判・並製216頁ISBN978-4-906791-54-5C0014
■ 恐山、伏見稲荷、モンゴル草原、三つのトポスをゆく生と死の回廊めぐり。僧侶として、末期のガン患者や精神を病んだ人びとと向き合ってきた経験から生まれた、肩の凝らない、それでいて年輪の刻まれた死との対話。
■ 光が影をつくる、死があるから生は輝く。なのになぜ、死は誰にとっても
恐怖の対象なのか。
死は終わりではない。気がつけば、死者たちはいつも語りかけているし、
働いている。
三つの場所で、死者たちの声に耳を澄ます。決して神秘でも、オカルトでも、祟りでもない、死者と生者が交差する姿がそこにあった。
■ 死とは生の鏡、「死」のイメージとは生が産んだ妄想だ。
死と生とをひとつに結ぶもの、それこそが死者と生者の、死者と死者のつ
ながりだった。
目次
序 章 死者と生者の交差点
黄の章 恐山 死者とともに生きる
死の衝動にひそむもの
死者とつながり、生者がよみがえる
赤の章 伏見稲荷 過去を赦す毒
狐の宴会と太い光の氾濫
天翔るダーキニー(荼枳尼天)
密教 生と死の宇宙図
青の章 モンゴル草原 あるがままの生と死
いのちと交わる
処分されるいのち
はるかなるモンゴル
ホンゴル・モリ
あるがままの生と死
終 章 いのちの操作場
著者紹介
三橋尚伸(みつはし・しょうしん)
真宗大谷派僧侶・産業カウンセラー. 1949年東京生まれ. 1988年東京大谷専修学院修了. 真宗大谷派にて得度. 心身の病に苦しむ人々との長年の交流を通じて, 企業, 官公庁, 医療界, 仏教界などで講演, 研修を行うとともに, 僧侶・カウンセラーとして医療現場にもかかわる. また, NPO法人「がん対策支援センター・キャンサーリンクかながわ」理事も務める. ほかにも産業カウンセラー, ストレスコーピング研究会相談役として幅広く活躍. メンタルレスキュー協会会員, 医療リスク・マネージャー, 日本カウンセリング学会会員.著書:『「病」を包むお見舞い言葉』講談社、2012年