ミケランジェロ周航

自由の伝道者か、狂気の芸術家か

 

ミケランジェロ周航

 

坂口昌明

 

 

 

2016623日刊行 四六判・上製240頁 

本体定価2800ISBN978-4-906791-58-3 C0071

 

  謎多き巨人、ミケランジェロの『システィーナ礼拝堂天井画』と祭壇画『最

 後の審判』、そして詩集『リーメ』……在野の詩人・民俗学者である著者が、

 定説にもたれず自らの足と目で作品と向き合い、その精神の秘密に肉迫する

 旅。

 

■ あらゆる局面で行き詰まりをみせる混沌とした時代にあって、ミケランジ

 ェロはどのような意味で真に新しい精神の旗手たりえたのか。その本当の闘

 いの場はどこにあったのか。

  ルネサンスに匹敵する壮大な転換を生きつつある21世紀のわれわれに託

 

 された、著者渾身の遺書。

目次

 黄昏のローマ

 闘うルネサンス

  ──ミケランジェロ『リーメ』私観──

  サン・ピエトロのピエタ

  神の足裏

  システィーナの霹靂

  低声で語れ

 パリ、ヴェルサイユ周航

  パリ三夜記

 

  ヴェルサイユ逍遥記

著者紹介

坂口昌明(さかぐち・まさあき)

 

1933-2011. 詩人, 文芸評論家, 在野の民俗学研究者. 日本語の可能性を拡大する詩人としての精緻な実験とあわせ, 長年、東北をフィールドとして日本民俗学・説話学上の探求を行う. 著書に:詩集『旅する椅子』(1965, 東北の詩人論・言語論『みちのくの詩学』(2007, 遺作詩集『月光に花ひらく吹上の 坂口昌明詩集』(2012, 『お岩木様一代記』の原文校訂と現代語訳(2011), および『安寿──お岩木様一代記奇譚』(2012,『《魔笛》の神話学』(2013), 『津軽 いのちの唄』(2014)などがある.