初めて出会う道元──この世の外から書かれた工学の書
跳訳 道元 仏説微塵経で読む正法眼蔵
齋藤嘉文
2017年8月21日刊行 本体予価2500円
四六判・上製 248頁 ISBN978-4-906791-72-9
誰も試みなかった読みときによって、跳訳に挑む。
失われた仏典、仏説微塵経を足がかりに、道元の宇宙に跳躍。
道元は、この世界を造り替えようとする設計者だったのだ!
評
末木文美士氏評──
「世界」の外なる「世界海」へ! 失われた仏典「仏説微塵経」とともに、道元の途方もない冒険が始まる。主著、正法眼蔵を専門家の桎梏から解放し、丁寧に本文を読み込みながら、工学的な設計の書として捉え直す、新鮮で意欲的な試み。
目次
Ⅰ 仏説微塵経 失われた仏典を求めて
第1章 世界の外部
第2章 鏡の中へ
Ⅱ 跳訳仏性 仏説微塵経で読む道元
第3章 仏性・跳訳
第4章 仏性・注解
終章 人類史の中の仏教
工学の書 あとがきに代えて
著者紹介
齋藤嘉文(さいとう・よしふみ)
1972年, 千葉大学医学部入学. 理学部で福田拓生から位相幾何学を学ぶ.
84年, 京都大学大学院にて, 分子生物学の哲学的な解読に取り組む. 88年, 神戸大学理学部に研究生として所属. 1995-2010年, 文化学院講師を務める. この頃, 建築とその思想に関心を寄せるとともに, 2001年より, 正法眼蔵の注釈を開始. 主要著作, 「クリプキ」(『現代思想』20巻6-7号, 1992), 分子生物学を主題とする5篇, 「分子は実在するか」「免疫の意味ノロジー」「時間なき進化」「分裂と融合」「微の分析」(『現代思想』19巻1号−23巻8号, 1991-95). その他, 文化学院在籍中に空間構成の作品を多数制作.