いま・ここに結晶する生・革命・神秘
――近代フランスの世界図絵
いま・ここのポリフォニー
──輪切りで読む初発の近代
鷲見洋一
10月25日刊行 四六判・上製 304頁 本体2800円 ISBN978-4-906791--92-7 C1098
一七□□年同月同日、輪切りとなった時代の図柄に浮かび上がるのは、素顔の革命と、等身大の大思想家たち──ルソー、ヴォルテール、ディドロ。
歴史からこぼれ落ちる、出来事と生の痕跡の巨大な集積、その共時的な記述が呼び出す一八世紀の世界図絵。そこでは何に光があたり、何が後景に退いているのか。
現代世界の萌芽と終末が、ともにここにある。近代というエポックを産み落とした要件とは。
【姉妹編『一八世紀 近代の臨界──ディドロとモーツァルト』ぷねうま舎, 2018年】
目次
序論に代えて 「世界図絵」から「いま・ここ」へ
──あちらの事情とこちらの事情
第一章 1862年 パリの福澤諭吉
第二章 1789年 ヴェルサイユ行進
第三章 二つの死
──17789年の状況とルソー、ヴォルテール
第四章 「頭出し」から映画『メッセージ』、そしてディドロへ
著者紹介
鷲見洋一(すみ・よういち)
1941年生まれ. 専攻, 18世紀フランス文学・思想・歴史. 慶應義塾大学大学院博士課程修了. モンペリエ大学院博士課程修了. 慶應義塾大学文学部教授. 同大学アート・センター所長を経て, 現在, 慶應義塾大学名誉教授.
著書に『翻訳仏文法』上下(1985, 87), 『『百科全書』と世界図絵』(岩波書店, 2009), 『一八世紀 近代の臨界──ディドロとモーツァルト』(ぷねうま舎, 2018), 編著に『モーツァルト』全4巻(共編, 岩波書店, 1991), 訳書にロバート・ダーントン『猫の大虐殺』(共訳, 岩波書店, 1986)ほかがある.