生なる死

スマホを捨てよう、新しいリアリティへの旅に出でよう

 

 

生なる死 

 

よみがえる生命と文化の時空

 

濱田 陽

 

 

10月25日刊行 四六判・上製 240頁 

本体2300円 ISBN978-4-910154-24-4 C0010

 

 わたしたちは今、透明な箱のなかに生かされているのではないか。生きることは本来、手触りと謎に満ち、ニュアンスに富んだものであるはずだ。

 世界標準時に基づく統一時空に裂け目をいれ、タブレットの外に出て、多元的で、驚きに溢れた生命と文化の時空を回復するために。

 

 生命の多様性を語る表象=米と龍鱗、死とよみがえりの象徴=コロナウイルスと若水の習俗、そして生のうちなる死=生なる死……これらのメタファーをつなぎ合わせ、人知を超えるものの消息を伝える、多様な彩りをもった絵柄を浮かび上がらせる。

目次

はじまりのはじまり

第一章 存在と時空

第二章 生命と文化の時空

第三章 人影の人工知能

第四章 生きとし生ける米

第五章 見えざる矛盾、新型ウイルス

第六章 自然、生きものの豊饒──龍と龍鱗

第七章 時空、名前、人生は一か多か

第八章 若水と新年

第九章 生なる死

第十章 新たなる時空

結序章 人知を超えるものの生なる死

 

  こころのレクイエム

著者紹介

 

濱田 陽(はまだ・よう)
1968戊申(つちのえさる))年生まれ。文化学者。京都大学法学部卒、京都大学大学院人間・環境学研究科文化・地域環境学専攻で博士号を取得。マギル大学宗教学部客員研究員、国際日本文化研究センター講師等を歴任し、帝京大学文学部教授。国際日本文化研究センター共同研究員、法政大学国際日本学研究所客員所員等。著書に『共存の哲学 複数宗教からの思考形式』(弘文堂、2005年)、『日本十二支考 文化の時空を生きる』(中央公論新社、2017年)ほか。