花火に祈る、いのちの一瞬の、そして永遠のきらめき……
かつて自ら死を望んだノンフィクション作家の、心震える自伝的小説第二作。
永遠をひろって
咲 セリ
6月24日刊行 四六判・並製 186頁
本体1800円 ISBN978-4-910154-34-3 C0093
もうすべては終わるのに、きみの体はあたたかい……小さな小さなミジンコほどの劇団で、体を売りながら芝居に打ち込む少女。孤独を抱え、壊れていく仲間たちに打ちのめされながら。私たちは、どうすればよかったのだろう。壊れ、崩れていく関係を、それでも、必死で、繋ぎとめようとしていた──歯ぎしりしをながら。たよりなくも、いじらしい、儚い祈りの青春群像。
小説処女作『臆病な僕らは幸福を病んで』姉妹編。
目次
ガラクタの居場所
生きたくて
デラシネ
遠い日の花火
それぞれの痛み
終わりのはじまりの幕が開くとき
救いの歯ぎしり
ガラクタたちは、今日も震えながら
著者紹介
咲 セリ(さき・せり)
1979年生まれ。大阪在住。家族療法カウンセラー。生きづらさを抱えながら生きていたところを、不治の病を抱える猫と出会い、「命は生きているだけで愛おしい」というメッセージを受け取る。以来、NHK福祉番組に出演したり、全国で講演活動をしたり、新聞やNHK福祉サイトでコラムを連載したり、生きづらさと猫のノンフィクションを出版する。
主な著書に、『死にたいままで生きています』(ポプラ社)、『それでも人を信じた猫 黒猫みつきの180日」(KADOKAWA)、精神科医・岡田尊司との共著『絆の病──境界性パーソナリティ障害の克服』(ポプラ社)、『「死にたい」の根っこには自己否定感がありました──妻と夫、この世界を生きてゆく』(ミネルヴァ書房、解説・林直樹)、『息を吸うたび、希望を吐くように──猫がつないだ命の物語』(青土社)、小説処女作『臆病な僕らは幸福を病んで』(ぷねうま舎)などがある。