未来哲学   第5号 特集 世界哲学における翻訳の問題

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未来哲学   第5号

 

特集 世界哲学における翻訳の問題

        

編集委員 末木文美士・山内志朗・中島隆博 

発行所 未来哲学研究所 

             

2023125日刊行 A5判・並製 346頁  

本体2000円  ISBN978-4-910154-40-04C0010

 

     ウクライナという問題、これは価値が奇妙に一元化した世界を象徴するものではないでしょうか。未来の世界をデザインしようとする思想はことごとく潰えました。残されたのは、テクノロジーが開く目新しさの闘争です。哲学や文学、あるいは芸術という人間の営みがかろうじて指さそうとしてきたのは未知なる次元、それを名指そうとすれば遠ざかり、体系の網に絡め取ろうとすれば変質してしまう、そんな繊細きわまるものではなかったでしょうか。

     希望とは何か、終末とは何か。一つの大きなサイクルが巡り終えたかのような、薄暮に閉ざされた時節を超えるために。 

目次

声1 ウクライナという問題 末木文美士・山内志朗・中島隆博・永井 晋・納富信留

特集 世界哲学における翻訳の問題──翻訳とは誤読の温床か、それとも新しい思想の芽生えか  

    問題提起 世界哲学の言語をめぐるディレンマと翻訳の問題       納富信留

    提題1 「色即是空」のアポリア                  護山真也

──鳩摩羅什と玄奘による『般若心経』の翻訳をめぐって

    提題2 アラビア哲学と翻訳──自然言語の限界にたいする挑戦     小村優太

    提題3 翻訳としての哲学(Philosophy as Translation)                  齋藤直子

         提題4 文芸翻訳とパラテクスト                                          阿部賢一

声2 リアルの手触り、仮想のつながり          末木文美士・山内志朗・中島隆博

水曜哲学会 超弦理論と宇宙                             大栗博司

論考  道元 「念慮を透脱する語句」と「メタファー」                  三谷尚澄

      道元——日本仏教の日本化                          齋藤嘉文

連載    『正法眼蔵』を読む 四 「身心学道」                    末木文美士

『論語』を発見する 第一講 どのように学ぶのか          中島隆博

書評と対話  存在の一義性」の変奏曲                        澤田 直

──山内志朗『ドゥルーズ 内在性の形而上学』を読む