ノミとりするみたいに
お互いの涙をぬぐいあった
生きづらさを抱えた二人の作家が交わす、
痛み、病んだ人をはげます手紙──人を救うのは、やっぱり人なのだ。
生きぞこなった夜に虹
──消えたい私、いけない僕
咲 セリ・マニィ大橋
2023年10月25日刊行予定 ISBN978-4-910154-910154-49-7 C0010
四六判・並製 240頁 本体1800円
精神疾患の咲セリ。
発達障害のマニィ大橋。
NHK福祉番組「ハートネットTV」でつながった2人が、実話を元にし紡いだ往復書簡小説。
夜の街で呼ばれたデリヘル嬢は若干16歳。親からの愛を知らずいじめの傷に心を苛まれていた。
呼んだ新聞記者もまた、家庭の問題で心因性勃起不全を抱え、かつて壮絶ないじめを体験し、後遺症に苦しんでいる。
愛と性を混乱し、ただ「しあわせ」を渇望する2人の人生は悲しいほどに救いから遠く、自分を愛せない答えへとたどり着くが……。
実際にいじめや家族、性の問題と直面した、2人。
精神科医岡田尊司氏との対談で病をオープンにした咲セリと、各方面で講演活動を行うマニィ大橋だから生まれた、ギリギリに優しいフィクション。
巻末に生きづらさやいじめ、今を悩む人に向けた対談の掲載あり。
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著者紹介
咲 セリ(さき・せり)
1979年生まれ。大阪在住。家族療法カウンセラー。生きづらさを抱えながら生きていたところを、不治の病を抱える猫と出会い、「命は生きているだけで愛おしい」というメッセージを受け取る。以来、NHK福祉番組に出演したり、全国で講演活動をしたり、新聞やNHK福祉サイトでコラムを連載したり、生きづらさと猫のノンフィクションを出版する。
主な著書に、『死にたいままで生きています』(ポプラ社)、『それでも人を信じた猫
黒猫みつきの180日」(KADOKAWA)、精神科医・岡田尊司との共著『絆の病──境界性パーソナリティ障害の克服』(ポプラ社)、『「死にたい」の根っこには自己否定感がありました──妻と夫、この世界を生きてゆく』(ミネルヴァ書房、解説・林直樹)、『息を吸うたび、希望を吐くように──猫がつないだ命の物語』(青土社)、小説三部作『臆病な僕らは幸福を病んで』『永遠をひろって』『ミジンコはわらった』(ぷねうま舎)などがある。
現在、「天然生活web(扶桑社)」にてエッセイ連載中 https://tennenseikatsu.jp
マニィ大橋
1964年、山口県山口市生まれ。発達障害の当事者であり、学習障害のうちの算数障害を持つ。地元の小中学校に通い、壮絶ないじめを経て、中学時代は「進学は難しい」と言われながら、自宅から往復2時間以上かかる県立高校に何とか合格し、3年間の遠距離通学を経験。1年の浪人生活を経て、地元の私大・徳山大学にやっと入学。4年生の時、入社試験は最下位だったものの、担当教授の編集長への強い推薦と、面接時の2時間にわたる映画談義が映画好きの社長に気に入られ、山口県内の地方紙に入社。記者や企画事業部などを経て2005年退社。現在はフリーランスで、軽妙な語り口と、マニアックな知識で人気を集める映画コメンテーターとして地元テレビ局で映画解説を行うほか、映画の製作や宣伝等にも携わり、イベントやテレビ番組のディレクター、雑誌、印刷物のライターなどを務めている。