私たちが住み込んでいる世界の秘密──目の前の謎と、真剣に、誠実に付き合うということ
左右を哲学する
清水将吾
2024年4月1日刊行 四六判・並製 204頁ISBN978-4-910154-52-7 C0 010 本体1800円
永井均氏評──左右とは何か? 謎はただ解けばよいのではない。謎の真の意味を突き止めることこそが不可欠で、それが本書で実現されている!
日常の当たり前にひそむ神秘、それは言語に由来するのか、それとも〈生〉に驚きと活気を与える仕掛けなのか。
ウィトゲンシュタインの思考装置を参照しながら、私たちが住み込んでいる空間認識の常識を揺さぶる。そこでは、いま・ここに生きてあることの謎に触れる、豊かな可能性が見えてくる。
目次
第一部
はじめに
1 向きと左右
コラム なぜ鏡は左右を反転させるのか?
2 左右っていったい?
コラム 左右反転眼鏡の実験
3 次元と左右
コラム 「左右」の意味は言葉だけで伝えられるか?
4 身体の秘密
コラム カントの思考実験
第二部
対話
谷口一平さんと
成田正人さんと
著者紹介
清水将吾
1978年生まれ。立教大学兼任講師。上智大学と東邦大学で非常勤講師を務める。ウォーリック大学大学院哲学科でPhDを取得後、日本大学研究員、東京大学UTCP特任研究員、特任助教を経て、現職。著書に『大いなる夜の物語』(ぷねうま舎、2020年)、分担執筆書にFrom Existentialism to Metaphysics: The Philosophy of Stephen Priest(ピーター・ラング、2021年)、『ゼロからはじめる哲学対話』(ひつじ書房、2020年)、Philosophy for Children in Confucian Societies (ラウトレッジ、2020年)、『ベルクソン『物質と記憶』を診断する──時間経験の哲学・意識の科学・美学・倫理学への展開』(書肆心水、2017年)がある。共監訳書に、マシュー・リップマンほか『子どものための哲学授業──「学びの場」のつくりかた』(河出書房新社、2015年)、共訳書に、バリー・ストラウド『君はいま夢を見ていないとどうして言えるのか』(春秋社、2006年)がある。