あのカントに再び挑んでみよう、
──人としての迷い、ためらいを味わい尽くす
てってい的にカント
その一 コペルニクス的転回の全貌
中島義道
2024年5月24日刊行 本体2600円 256頁
四六判・並製 ISBN978-4-910154-54-1 C0010
そうか、あのカントも一人の挑戦者であったに違いない。挑み、逡巡し、
いくどもやり直す。未知なる思考の世界と、そこにおける人間の位置を示す
指標を立てるために。
『純粋理性批判』、再びこの思考の金字塔に挑んでみよう。
読者とともに行きつ戻りつ、文に編みこまれた思考の息づかいに耳を澄ます。
それは、いまを生きる、私たちの足もとを照らす探照灯の誕生秘話であった。
【続刊】 てってい的にカント その二 「純粋理性」の舞台裏 7月刊予定
【姉妹篇・既刊】 てってい的にキルケゴール その一〜その三 『絶望ってなんだ』
『私が私であることの深淵に』『本気でつまずくということ』(ぷねうま舎)
目次
序 論 死ぬまで真理に焦がれ続ける者 第三章 批判という方法
第一章 危険な問い 第四章 カントを読むということ
第二章 「主観的な」形而上学の歴史 第五章 コペルニクス的転回
著者紹介
中島義道
1946年生まれ. 東京大学法学部卒. 同大学院人文科学研究科修士課程修了. ウィーン大学基礎総合学部修了(哲学博士). 電気通信大学教授を経て, 現在は哲学塾主宰.
著書に, 『カントの時間構成の理論』(理想社. のち改題『カントの時間論』講談社学術文庫),『モラリストとしてのカント1』(北樹出版. のち改題『カントの人間学』講談社現代新書),『カントの自我論』(日本評論社. のち岩波現代文庫), 『悪について』(岩波新書),『悪への自由──カント倫理学の深層文法』(勁草書房. のち改題『カントの「悪」論』講談社学術文庫),『生き生きした過去──大森荘蔵の時間論, その批判的解説』(河出書房新社), 『不在の哲学』(ちくま学芸文庫), 『時間と死──不在と無のあいだで』(ぷねうま舎)ほか.