あの『純粋理性批判』に再び挑んでみよう、
──人としての迷い、ためらいを味わい尽くす
カントの超越論的自我論
中島義道 著
2024年11月25日刊行 本体3200円 四六判
並製 316頁ISBN978-4-910154-60-2 C0010
生涯を賭けた思索の原典に立ち戻り、あらためてカントと対話する。未知なる思考の世界と、そこにおける人間の位置を示す指標を立てるために。
再びこの思考の金字塔に挑んでみよう。自らの声で、カントの迷いと葛藤をときほぐす。すると時代を築いた思想の、素顔が見えてくる。
そこにあるのは、いまを生きる、私たちの足もとを照らす探照灯の誕生秘話であった。
【姉妹篇・既刊】 てってい的にカント その一 コペルニクス的転回の全貌
てってい的にカント その二 「純粋理性」の舞台裏
目次
目 次
第一章 「私」は思考する. 第二章 「私」は現存在する
第一節 実体としての「私」の否定 第四節 現存在の感じ
第二節 超越論的統覚 第五節 「私の」身体
第三節 純粋統覚 第六節 主観の状態
第三章 「私」は自己を知る. 第四章 超越論的自我論の限界
第七節 自己触発
第八節 内的経験
第九節 自己認識
著者紹介
中島義道
1946年生まれ. 東京大学法学部卒. 同大学院人文科学研究科修士課程修了. ウィーン大学基礎総合学部修了(哲学博士). 電気通信大学教授を経て, 現在は哲学塾主宰.
著書に, 『カントの時間構成の理論』(理想社. のち改題『カントの時間論』講談社学術文庫),『モラリストとしてのカント1』(北樹出版. のち改題『カントの人間学』講談社現代新書),『カントの自我論』(日本評論社. のち岩波現代文庫), 『悪について』(岩波新書),『悪への自由──カント倫理学の深層文法』(勁草書房. のち改題『カントの「悪」論』講談社学術文庫),『生き生きした過去──大森荘蔵の時間論, その批判的解説』(河出書房新社), 『不在の哲学』(ちくま学芸文庫), 『時間と死──不在と無のあいだで』(ぷねうま舎)ほか.
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